ヒトの親になった日

昨日、19日16時38分。

忘れそうなので、記録しておくことにしよう。

◇17日

進行中の案件は原稿や素材が待ちの状態の日だったのが、

スケジュール調整と次に動き出す準備のため、翌2時ごろまで働いて、

3時に就寝。

◇18日

早朝。嫁さんから「おしるしがあったので、今から病院に来て」と連絡が入る。

10分ぐらい、タクシーがつかまらず何度も自転車で行くか迷う。

自転車だったら、新町から寺田町までは速くても40分くらいはかかるだろう。

しかし、一台のタクシーをつかまえることに成功。そのまま乗車。

●6時頃

西川医院に到着。

すでに嫁さんのご両親が待機していた。

陣痛室に入る。

部屋にはどうやら、カーテン越しにベッドが2つあり。

嫁さん以外にも妊婦さんが横たわっているようだ。

嫁さんはうなっており、子宮内計測器なるものの計測器具を腹に巻かれていた。

「ウックン、ウックン」と鼓動音が聞こえる。

なんじゃこれはと思いながら、しんどそうな嫁さん。

僕は、手を握り、とまどいながらも「大丈夫、大丈夫」という。

●正午前

付き添いする僕を気遣い、「ちょっと家で寝たら」と義母さんがやってくる。

まだいけそうだったけど、長丁場になりそうな感じだったので、

家で仮眠する。

●14時頃。

ふたたび、病院に行く。

嫁さんの様子をみると、陣痛の感覚はあまり変わっていない。

それよりもむしろ、徐々に体力が消耗し始めている。

嫁さん、もうひとつのベッドを指差し「朝とは違う人やで」と一言。

●18時から22時くらいまで

陣痛は延々と続くが、次の段階までにはなかな及ばない。

子宮口もなかな開かないようだ。

かなり体力を消耗していて、気力にかげりが見え始める。

助産師さんがあらわれ、「この程度の陣痛ではまだまだ産まれないから、朝までがんばって」という。

●24時頃

義母と交代。

1時間程度でもどるつもりであることを嫁に伝えて、陣痛室を出る。

嫁さんの実家ではみんなが「まだまだかかるから、寝ていきや」という。

眠気のピークに達していたので、肝心のときに立ち会えないのもなんなので、布団にはいって寝る。

◇19日

●6時すぎ

思いっきり寝ていた。

慌てて病院に向かう。自分ではよく寝たと思っていたが、まだ眠気が残る。

ベッドでは嫁さんが疲労はあるものの、少し落ち着いた様子で座っていた。

●7時頃

また、急激に陣痛が襲ってきたらしく、おおいにうなる嫁さん。

「もう体力がない」と弱音を吐く嫁さん。僕には弱音とは言えない感じがする。

助産師さんがまた部屋にやってくる。

予想以上に陣痛の強さや間隔が変わらないので、自然分娩から無痛分娩に切り替えるかたずねられる。

嫁さんも僕もこのままでは無理だと思ったので、無痛分娩という痛みを和らげて、少々の薬で進行をコントロールする方法をお願いすることにする。

●9時半頃

無痛分娩の診察のため、嫁さんは分娩室へ。

僕は部屋で待っているとご両親がやってくる。

●11時頃

近所の喫茶店に朝ご飯を義父さんと食べにいく。

食後、義母から予備の飲み物を買ってきてほしい旨の携帯メールが入る。

近くのコンビニで飲み物を買って病院にもどる。

●正午頃

名前が呼ばれ、分娩室に行くと、

すでに無痛分娩が決定し、片隅で嫁さんがなんらかの薬品の投与を受けている。

すでに陣痛の間隔は狭まり、

前進していることはあきらかだった。

しかし、ここまで嫁さんは不眠不休で陣痛と格闘しているので、

薬と疲労でかなり消耗している。残存している体力が心配になる。

●14時頃

また診察と言われて、分娩室から追い出される。

ソファで30分寝る。

また、分娩室に呼ばれ、しばらく嫁さんを見守る。

かなり子宮口はひらき、もう少しだと説明をうける。

また診察というので、部屋を追い出される。

すると義母とやってきて間もないっぽい母がソファでしゃべっている。

義母さんは「いったん家に帰ります」といって、実母とソファでしばらく雑談。

●15時半頃

結構診察が長いと思って。院内をうろちょろしていたら、

助産師さんのチーフと思われる人がもう間もなくだけど、いつかはわからないことを説明してくれる。

落ち着かないけど、母としゃべる。

●16時半頃

また呼ばれる。

「もう手を洗って、エプロンをしてください」と言われるがままにそのまま分娩室へ。

嫁さん、分娩室できばりながら、医師、さきほどの助産師さん、そのほか2名の助産師さんが「もうちょっとですからね」と嫁さんに語りかけている。

「パパはこっちに立って、汗を拭いてあげてください」と濡れタオルを手渡され、

分娩台の頭側に立つ。

医師から薬をつかっているので、嫁さんだけでは赤ちゃんがでないので、

お腹を押して、押し出すことを告げられる。

数分、まさしく死闘だった。

少々グロテスクなので、表現は割愛するが、まさしく新しい家族が泣き出した。

最初の兆候から36時間以上を経て、僕と嫁さんの子供が誕生した。

大きく育って、3400グラム。

よくがんばったね。

嫁&子供